無形文化財 田宮流居合  田宮流居合のこと

 

 居合は一般 的に林崎甚助重信を始祖とし、そこから数多くの流派が分派していったとされます。
 田宮流居合は、今からおよそ四百年前、林崎甚助の直門である田宮平兵衞重正によって興されさまざまな経緯を経て今日に伝えられました。現存する古流のなかで最も古い流派の一つです。
 田宮平兵衞重正は林崎甚助から抜刀術を修め自ら工夫を重ねました。重正は長柄刀を差し、「手に合うならば刀は長いほど有利である」と説いています。戦国時代の流儀でもあり、とにかく長柄を利した居合でありました。
 現在第十四代宗家  妻木正麟元信 先生に継がれ世界各地に支部を置き、稽古に励んでおります。田宮流居合は、表之巻十一本(基本業)と、虎乱之巻十四本(奥儀)からなり、それぞれ座業と立居合が含まれております。

(表之巻)
稲妻・押抜・除身・廻掛(立居合)・胸之刀・柄外・突留・白浪・逃身(立居合)・追立(立居合)・頂上

(虎乱之巻)
刀合切・水鏡・もじり刀・左鐵・右鐵・富士山・松風・夜嵐(以上立居合)
陰転切・陽転切・月陰之太刀・飛鳥・妙意・村雲
(以上座業)

それぞれの基本業は、みな上段残心をおこない、「残心」にはとくに心を注ぎ「習い大事」としています。
「位の田宮」「美の田宮」と讚えられています。 

 

 

○ 田宮流居合のみのかね=規矩準縄・基本のことがら

 「抑々当流の伝教は、天然自然のことわりを以て、内志正しく、外体直く、気体の和に随って、数分の間にして、刀を抜き出すを以て修業の第一義とす」(田宮真伝奥儀集より)

解釈 田宮流の伝えるところ、居合は自然体で心気をととのえ、体を正しくまっすぐに気体を一致して、一瞬のうち  に太刀を抜くことを修業の第一としている。

 

 

○ 身の規矩の位 を深く習うべし

 

○ 陰陽の体

 

○ 腰詰

 

○ 懸り手

 

○ 鞘の抜きこころ

 

○ 抜き付け

 

○ 刀の振りかぶり方

 

○ 鞘手を柄に移す方法

 

○ 鞘口の切り方(鯉口の切り方)伝書による

 

○ 打ち下ろし(斬り下げ)

 

○ 柄の握りの事(手の内)

 

○ 調子のこと

 

○ 息合のこと(呼吸)

 

○ 初霜の目付け

 

○ 居合かかりの足形

 

○ 立ちあがり

 

○ 手の用

 

○ 刀の納めのこと(納刀)

 

○ 我身の勝

 

○ こころとどめぬ 人

 

○ 血振り

 

○ 心の上手抜き

 

○ 心気のはたらき

 

○ 神妙の剣法は神術にあり

 

○ 心の水に澄む