無形文化財 田宮流居合
 田宮流居合のみのかね=規矩準縄・基本のことがら

 

○ 居合かかりの足形

 

 居合かかりの足立ては、右を立て、左を引きながら抜き拂ふを習ひとす。
此の左の膝の所に足を踏めば則ち立ち、構への立足一間の幅となるなり。足幅は広からず叉狭からず一間三足に歩する程度の所に膝を著くるを謂う。足を立て替へて右を引くときも是に同じ。唯足の左右を差ふのみ。立てたる足は右へも左へも偏るべからず、叉かかる可らず、控ゆ可からず、指先も亦左に斜に踏む可らず。一間三足は自然の幅なれば、進退も自由にして動作便なり、然れども勝れて体格の大なる者叉小なる者は、各々其の身に応ぜざれば叉自然に違ふを以て動作を妨ぐることあるべし能く辨知すべし。(田宮流伝書『口伝』より)