無形文化財 田宮流居合
 田宮流居合のみのかね=規矩準縄・基本のことがら

 

○ 息合のこと(呼吸)

 

 息合とは呼吸の事。のむとはくは息あつかい也。遅速は時に随いて乱れざるを善とす。いきおわり、またはたきになる事、いき合のあしき也。一文字と言習有。(田宮流伝書『口伝』より)

口を結びて鼻より息するものは、身体康強にして、心も亦治り、静なれば進み易し。鼻より息するものは、動作も久しく続き、息も久しく保つものなり。息の口より出ずるものは心気調わず、故に息の切れること速なり、故に人能く鼻より息することを習はば、身体自ら強健にして、久しく息を保つこと得べし。叉息は心気の治まると否とに由りて長短あるものなり。是等の類は各人の天賦に由りて別 るること自然の理なり。故に人能く其の過ぎたるをつづめ、及ばざるを補はば、全くその道を得て、術心に入る。(田宮流伝書『口伝』より)